オディロン・ルドンは、1840年4月20日、フランス南西部の都市ボルドーに生れました。非常に裕福とはいえないまでも、まずまずの財産家であった両親の第2子でした。後に兄は音楽家、弟は建築家になっていますから、芸術的な素質に恵まれた家系だったのでしょう。しかし、この2人の兄弟の間にはさまれたオディロンの芸術家としての成長は、必ずしも順調ではありませんでした。パリの国立美術学校の受験には失敗しましたし、当時のフランス画壇を牛耳っていたアカデミスムの画家ジャン=レオン・ジェロームの門下生になったとたん、この師の教え方についていけず、すぐにボルドーに帰ってしまいます。
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